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社長の華. JAPAN

Carlo La Porta氏 Mpowerd Sales 株式会社「自発性を引き出すリーダーシップ法」

フランスの幼少期からスイス⇨イギリス⇨日本へ

Q :子供の頃はどの様な環境で育ちましたか?

フランスの最東部のアルザス地方で生まれた私は、ストラスブール近郊のワイン生産地である小さな村で10歳まで育ちました。父はイタリア人、母はイギリス人で、両親はストラスブールに設置された欧州評議会の国際公務員として常勤していました。私はイタリアとイギリスの二重国籍です。

保守的な田舎街で育ちましたが、私はアルザス人ではなく、イタリア系の苗字であり周りからイジられる事も多くありました。両親の実家であるイタリアやイギリスに帰省すれば、『お前はフランス人だ』と常に外国人として見られ、愛国心のない幼少期でした。

中学時代はスイス、高校時代はイギリスで国際的な環境で勉学に励みました。イギリスの大学を視野に入れましたが進学前に” 1年間日本に留学して日本語を学ぼう” と訪日を決意したのです。

来日後、日本語の勉強に励む私を見て、日本人から『お前は日本人みたいだな』と言われた事があります。幼少期は常に外部の者として見られた私に、友人からのその言葉が刺さり、異国の地で初めて私が受け入れられた気持ちになりました。単純かと思われるかもしれませんが、元から日本をすごく気に入ってましたが、それを契機に日本を好み、結果的にイギリスの大学を辞退、日本での進学と就職を決心したのです。そこから現在、在日33年になります。

大学は商学部に進学、1、2年生の間に単位をほぼ取得済みで、3、4年生はゼミのみ出席、時間に余裕があったので大手商社に出向して学生の頃から社会人を経験しました。そして3・4年生の際には、幸いなことにグローバルなネットワークを持つロータリーの米山奨学生になり大変お世話になりました。今でも心より感謝しております。

KPMGコンサルティング等での経験から、人材コンサル業の起業へ

Q:社会人経験を教えてください。

卒業後は、銀行系やコンサル系企業でキャリアを重ねました。KPMGコンサルティングでのコンサル業務をはじめに多く企業支援に携わり、 “人” に関わる多くの共通した部分を見ることが出来ました。例えば、組織の決裁者や利害関係からモチベーションに至るまで、複数のプロジェクトに携わると “人” に関する共通した課題や現象があると理解したのです。

社会人として経験して将来の方向性を模索していた頃に、ダニエルピンクの “モチベーション3.0” という本に出会い感銘を受け、20年ほど様々な企業での経験を活かそうと2018年に人材コンサル業で起業しました。

日本企業が抱える社内コミュニケーションの課題

Q: 企業の “人”に関してどの様な課題が見えますか?

様々な企業を外から見続けて分かったことが一つあります。日本企業の最も大きな問題は「社内コミュニケーション」であると言えます。その中でも「世代間ギャップ」が広がっているのです。その境目となる年齢が今でいうと36歳。その年齢から上下に離れれば離れるほどその格差が広がります。その背景としてあるのが、2000年程から広がったネットの普及も勿論、”SNS” と “MMO(オンラインゲーム)”、そして2008年以降スマホの存在です。

物心が付いた年齢でそのサービスがあるか無いかで、思考形成が大きく異なります。その違いは、”縦割り文化” と “横割り文化” の違い。35歳以上の縦割り世代は主に両親や祖父母に影響されて育っています。35歳以下の世代は家族より、ネット・スマホ上のSNSやオンラインゲームを通じて、同世代の横繋がりがその後の人生に大きく影響を与えるのです。

若者は対立を嫌います。対立するならそこからいなくなりたい。対立が怖い、面倒くさいのです。昔は友達が減ると周りとのコミュニケーションが無くなりましたが、現代では現実の友達がいなくても、SNSでフォロワーが存在している。不必要なフォロワーが増えて面倒だなと思えば1クリックでブロックすれば、即切れると感覚で覚えています。人との出会いも昔であれば、初対面の相手を会話を通して知ろうとする。ところが現在はSNS上でプロフィールを見れば会う事前に、ある程度把握できてしまう。友情を作る概念が変化して、昔は 「憧れのヒーロ” に付いていきたい」ところが今はヒーローやリーダには興味を持たず、「自分をヒーローにしてくれる人」 に興味やリスペクトを持つ感覚へと変わりつつあります。

この世代間ギャップがリーダシップとも関連があり、35歳以上は『 俺の背中を見て俺の言う通りにやれ 』と先輩が後輩に指示する慣習があります。その内容は先輩しか知らない事があった為、そのやり方が通用するのです。ところが、現代では大半の情報がネット上で手に入る為、上司に聞く必要が極めて少なくなった。その為、先輩が長年の勤務で積み上げたその “経験の価値” は残念ながら低く、役立たない場合があります。時代の流れでリーダーシップに求める事は変化しています。そもそもリーダーが最新のトレンドを把握できていないケースがあるのですが、これらの大きな世代ギャップの課題を解決できるのが、「ミッションコマンド」という新リーダシップのメソッドなのです。

ミッションコマンドで自発的とコミュ力の育成

Q:ミッションコマンドを教えていただけますか?

ミッションコマンドの活用例として、小規模ながら連勝していたドイツのプロシア軍が挙げられます。プロシア軍は個々の能力が強い訳ではなく “リーダシップ” に優れていました。一般的には「コマンド&コントロール」が主流で、司令官が細かく部下に指示してコントロールする手法が、現在の大半の日本企業でも活用されています。ところが、リーダーの指示通りに動くため、リーダーが全体を完璧に把握する必要があり自発性には欠けてしまいます。その反面、ミッションコマンドは、リーダーが全体像として目的や戦略を決めるが、”現場の人” が自ら考えて戦術を行う。リーダーは必要な材料を用意して、トップダウンではなく “現場の人” が内発的に動けるマネジメント手法なのです。

ウクライナ軍もミッションコマンドを適用した為、粘り強く戦えています。有名企業ではファーストリテイリングやトヨタなどが活用しています。トヨタ式カイゼンもその一例です。トヨタの戦略としては初期不良がない「壊れない車」をいかに製造するかがミッション、それに対してリーダーが必要な資源を提供して、現場が自分の業務を自発的に考察して改善する姿勢を継続します。

Q:実際どの様な企業の人材問題を見てきましたか?

一般的に「入社して3年半で仕事へのモチベーションが下がる」という統計データがあります。その原因は「上司」や「評価の不公平」また「会社の方向性」が大半です。この”ミッションコマンド” を活用できない企業は、どうしても若手人材を保つのが困難になります。

逆に上手く活用できれば若者は簡単に離職しない。特に地方企業は、伝統を大切にするの従来のやり方を伝承する為、世代間ギャップが生まれやすく『若手が何考えてるのかさっぱりわからない』という状況になりかねません。

マネージャークラスでも「指示待ち社員」を抱える企業は多くあります。社内コミュニケーションに課題があるのですが、現場は現状維持を試みて、変化への意欲は生まれません。その様な現場に悩む経営者・マネジメントに徹底伴走して、変化をもたらし理想のチームを構築する。それが私達の役割なのです。

Q :具体的にどの様な流れで人材を改善するのですか?

企業の変化のためには、様々なメソッドがありますが、基本的に以下の3つの鍵を回すイメージです。

1)気づき:自分自身の問題点の気づきです。「このままでは私は恥をかく事になる」との認識です。

2)変化:「自分自身が変わらなければいけない。もう言い訳出来ない」と賛同させる必要があります。他の社員が同意している中、自分が賛同しなければ村八分にされる危機感からの変化です。

3)行動:自分自身で変えるために自発的に動く必要があり「私が何かやります」と行動の変化が生まれます。

結果的に、社内で一体感が生まれ、自発的に動く部下が育ち、誰もが輝いたビジネスライフを実現できるチームに変わります。また上司の評価に納得出来ないケースも減少します。自己評価の割合が大きい為、むしろ部下が自らに厳しい評価を下し、それに対して上司が「ここは良かったよ」とフォローする状況も生まれるのです。

これらのプロセスは、企業内部の担当がやるのは難しく、可能であれば私の様に経験豊富な外部に任せた方が円滑に進みます。3つの鍵を回して”社風を改善させる” のが私の仕事であり、やり甲斐でもあります。社員に関して何か困っている事があれば、是非私を活用してみて下さい。ちなみに、今話した内容は、社員のホンネを引き出す「M-MAPソリューション」の診断となります。

M-MAPソリューションは “組織レベル” で社風を変えて、それが定着できる様に対応します。”ミッションコマンド” は組織レベルというより、”個人レベル” で問題を対処する位置付けになります。これらの独自メソッドは業界は問わず適用が可能であり、1年程かけてリーダーシップ法を習得していただきます。

Mpowered Sales 株式会社 ウェブサイト

日本の中小企業の生き残りと活性化に貢献したい

Q :将来的なビジョンをお聞かせください。

日本のサラリーマンは3500万人程ですが、将来的にその10%の350万人の方に影響を与えたいです。それにより中小企業の生き残りと活性化に貢献できると考えますが、その為には関わる人を更に増やしていく必要があります。

弊社のサービスの終了時には、ミッションコマンドリーダーの修了証や認定証を授与します。その中から更に M-CL(ミッションコマンドリーダー)のエキスパートを育成し、認定証保有者を1万8千人規模まで増やしたいです。並行してM-MAPの診断ツールによる、Mスコアが4.5以上の企業数を4000社程を目指します。

これらが達成出来たら、私は会長として後任者をサポートする立場となり、山間部で自給自足できる村を作る夢があります。五百人ほどの小規模な村でどの様な気候変動が起きてもそこで皆で生きていける。妄想かもしれませんがその様な事を思い描くと、より仕事に励む活力に繋がります。

有難うございます。フランス、スイス、イギリス経験を経て日本滞在は30年以上のカルロさん。人材育成を通して中小企業をより活性化させる。日本社会に貢献したいその真剣な想いは武士の様な根底の強さを感じました。社員に関して悩んでいる方は是非、カルロさんに相談してみてください。

Carlo La Portaさん

Carlo La Portaさんのプロフィール

会社:Mpowered Sales株式会社 ( 英語名 : Mpowerd Sales K.K) 代表取締役社長

ウェブサイト: https://mpoweredsales.com/

国籍:イタリア、イギリス二重国籍

出身:フランス アルザス地方  

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