過去 – 経歴
――幼少期から起業までのご経歴についてお聞かせください。
私は日本で生まれ育ち、家族が英語を話したり、国際的な環境で育ったわけではなく、本当に普通の日本人の家庭で育ちました。公立中学校・高校に通い、いわゆる“どこにでもいる普通の日本の女の子”だったと思います。ただ、学生時代を振り返ると、勉強や部活を通して「指導者」という存在に強い影響を受けてきました。勉強はものすごくできたわけではないですが上位を目指して頑張っていたので特に挫折感を感じることが多く、どれだけ時間をかけても、誰に習ってもわからない時には自分を責め、泣きながら向き合うことも多かったです。そんなとき、塾で出会ったある数学の先生の教え方がとても面白くて授業も楽しく、信じられないほど分かりやすく、その先生に教わった瞬間に一気に理解できるようになった経験があります。その先生が「できたじゃん」「あなたならできるに決まってるよ」というような、私の可能性を信じる関わりをしてくれて、自分の中で苦痛だった勉強が一気に楽しいもの、自分の可能性を感じられるもの、というような受け取り方ができるようになり、何かが変わったように感じたことを覚えています。
昔から感受性が強いのでたくさんの先生と出会い多くの感情を持ってきましたが、「この人は私の事を本気で考えてくれている」「味方である」という気持ちは必ず伝わると確信しています。その上で自分の可能性を自分以上に信じてくれる存在がいることがどれだけ大切で、どれだけ大きな影響を人生に与えるか、ぼんやりではありますが10代の早い時期に経験し、なんとなくですが自分もそんな存在になりたいと、憧れを抱いていたのかもしれません。
一方で、部活動のバスケットボールでは、うまくいかないことの方が多くありました。中学・高校では、すでに経験のある子との差が大きく、努力してもなかなか追いつけませんでした。その時に、努力の量だけではなく「正しいやり方」「環境」「指導者の経験」の違いが大きく影響するということを実感しました。
また、当時の先生との関係でつらい経験もありました。中学のときに強豪校を目指したいと言った時、「お前なんかが通用するわけない」「足を引っ張るだけだ」と言われたことがあります。高校に入ってからも、部活の先生から厳しく扱われ、理由もなく後輩の前で恥をかかされるようなことをされたり、「お前は何もするな」「試合でトライするな」と言われ続けたりしました。そうした経験を通して自分の中から挑戦したり工夫しようとする気持ちが消えていき、毎日生きることをやめたいとまで考え、ボールが持てないほどの精神状態になりました。指導者の言葉や関わり方が人の自信や行動に与える影響の大きさを感じました。
当時から集団生活が苦手で、毎日同じ時間に同じ場所へ行き、同じ人と会うという環境に強い違和感を持っていました。納得できないことでも「ルールだから」「みんながやっているから」という理由で従わなければならないことが多く、社会に対しての不適合感のようなものをずっと感じていました。
18歳で初めて一人でアメリカに留学したとき、その感覚が大きく変わりました。日本ではこれまで疑うこともなく当たり前とされていた苦痛だった暗黙のルールや考え方が、アメリカでは誰にとっても当たり前ではなく、周囲の人たちが堂々と自分の考えを表現し、それが質の高いものでなかったとしても当たり前に認められている環境に驚きました。自分が日本で感じていた「生きづらさ」や「常識への違和感」が自然とほどけていったように思います。
大学ではインターナショナルクラブの部長を務め、最初20人ほどだった部員を300人規模にまで増やしました。アメリカ留学後は外資系豪華客船のスパでマッサージセラピストとして働き、指名率ナンバー1かつトップセールスになったことで、「自分ができると思っていないことができるようになる」ことの人生へのインパクトを感じました。自分で企画を立てたり戦略を練って、国籍の違う仲間とディスカッションしながら新しいことを形にしていく過程の中で、「自分の力で物事を動かす」ことの面白さややりがいを強く感じました。
起業は“好きなこと”ではなく、“得意なこと”から始めました。最初は英語教育事業としてスタートしましたが、やり始めると学生時代の経験も呼び起こされ、「教育の可能性」に強い関心を持つようになりました。本当はマインドブロック解除やカウンセリングのような分野に興味がありましたが、教える現場に関わる中で多くの方々の変化に触れ、教育こそが大好きなことであり、自分の役割だと感じるようになりました。
自分が学生時代に感じたトラウマや、指導者との関わりの中で抱えた想いがあったからこそ、今は「人の可能性を否定しない」「どんな人でも信じて伴走できる存在でありたい」と強く思っています。企業教育やコーチングを通して、人が本来持っている力を取り戻すこと。私が過去に欲しくて欲しくてたまらなかったきっかけやサポート。それが、私が起業を通して実現していきたいことです。
現在 – サービス内容
――今の事業内容を教えて頂けますでしょうか
現在の事業は大きく3つの柱で構成されています。
▪️ 1つ目は、インバウンド事業者向けの接客コンサルティングです。小売業・飲食業・サービス業を中心に、外国人客への販売率・客単価・満足度を圧倒的に上げる「IZUMI流・外国人接客メソッド」を提供しています。
外資系豪華客船でトップセールスとして培った経験をもとに、「どんなお客様に、どんなアイスブレイクや英語表現で関係性を築けば、自然子満足度の高いセールスにつながるのか」という一連のプロセスを体系化。
表情づくり、断られないアプローチ、口コミにつなげるトーク、ドリンクをすすめる一言など、現場で実践できるスクリプトやロールプレイを重ね、スタッフ一人ひとりが“楽しく売れる”状態をつくります。
また、マニュアル作成やマインドブロックを外すワークも行い、スタッフの意識変革から現場全体の力を引き出しています。
経営者と現場の橋渡しをしながら、目指すゴールに向けた商品設計や見せ方の改善、外国人に響くコンテンツ開発など、来店者数・販売率・客単価・満足度アップを接客の観点を中心に総合的にサポートしています。
▪️ 2つ目は、企業向け超カスタマイズ英語研修です。
英語が業務に必要な企業や部署の目標に合わせて、現場の実情・業務内容・個人の価値観・ライフスタイルまで踏まえた上で、完全オーダーメイドのカリキュラムを設計します。
遠回りを一切せず、ゴールに直結する内容だけで構成することにこだわっていて、商談・会議・プレゼンなど実際の業務を想定したロールプレイを中心に、英語での交渉・提案・雑談などをそのまま再現できる実践的トレーニングを行っています。
製品やクライアントの実際のサービスを例文に組み込み、インプット→アウトプット→様々なアプローチでの応用アウトプットという流れで定着を促進させ、「楽しいけどものすごく有益」という両立ができる研修を実施しています。
英語を使ったアクティビティやディスカッションを通してチームビルディングの要素も取り入れ、部下・上司・同僚間の関係性がより良くなることも多くあります。英会話のマインドセットや前提知識等を組み込むことで英語のレベルに関わらずアウトプットを短期間で強化することができ、他社で使えるような一般的なカリキュラムは一切使用しないため自分ごとになりやすい特徴があります。受講後には「これまでとは全く違う英語研修だった」「すぐに使えて楽しかった」という声も多く、笑顔で学べる実践研修として高い評価をいただいています。
▪️ 3つ目は、個人向けの英語コーチングスクールの運営です。
英語にアレルギーがある方や何度も挫折してきた方が、自分のペースで“できる自分”を取り戻せるように、一人ひとりに完全オーダーメイドのプログラムを提供しています。
たとえば「ディスカッションが好き」「トイ・ストーリーが好き」「金融業界のニュースが聞きたい」といった個人の興味から英語の動画や音声を選び、10秒ずつ編集して毎日送付。リスニング・ディクテーション・発話練習をLINEでやり取りしながら、発音や言い回しを添削し、日本語音声も返してフィードバックします。
コーチングスキルの高いコーチのみのチームで運営しているため、「これならできる」「これなら続けられる」と生徒様に思っていただける内容になるように細かな軌道修正を重ね、その人が“自分の力で進める”実感を大切にしています。
この徹底したパーソナライズは、大手では真似できないほどのカスタマイズ性であり、2年半で目標達成率90%以上、満足度は100%を維持しています。
どの事業にも共通しているのは、「目の前の人の自信と可能性を取り戻す」という軸です。
現場・企業・個人、それぞれが「できる」と感じられる瞬間を増やし、日本人の強みと魅力を世界に伝えていくことを目指しています。
将来 – ビジョン
――今後の構想、ビジョンをお聞かせ頂けますでしょうか。
私が成し遂げたいビジョンは、「日本人の自信に貢献すること」です。自分にはできない、踏み出せない、誰かに「無理だ」と言われたことで、自分の可能性を信じられなくなっている人が日本には本当に多いと感じています。私は、そうしたマインドブロックを外すサポートを通して、人が「なんだ、自分って思ったよりできるじゃん」「悪くないかも」と思える瞬間をつくりたい。それは、人生を前に進める大きな変化につながると信じています。
どんな仕事であっても、私の軸は“その人の可能性を信じ、自信や心の底から湧き上がる楽しさを取り戻すこと”にあります。特に、英語・挫折感・劣等感・自己否定といったテーマは私自身の人生と深くつながっていて、「できない」を「できる」に変えることに人生をかけて取り組みたいと思っています。
たとえば英語に苦手意識を持っている方が、企業での実践的な研修を通じて自信をつけることで英語で契約を取れるようになったり、伝えたい価値を仕事で伝えられるようになったり、会議や会食で海外メンバーと深い絆を築けて現場を改善に繋げられたり。インバウンドのお客様を避けていたり受身だった接客が笑顔の積極的なアプローチに変わることで、外国人のお客様をもっと笑顔にできる経験が得られたり。
そんな“できるかもしれない”と感じる瞬間が人生を大きく変えていく。その過程に関わりたいと思っています。
そして、日本人には世界に誇れる文化的な強みがあります。誠実さ、ルールを守る意識、丁寧な仕事、約束を守る姿勢。これらは本当に素晴らしいクオリティでありながら、本人たちが気づいていないことが多い。経験がない・メンタルブロックや固定概念に縛られている・英語ができないという一点で自信を失ってしまう人に、その価値を再認識してほしいと思っています。
正しい指導や気づきを通して、劣等感や思い込みを少しずつ手放し、自分の力を信じて挑戦できるようになる。その先には、世界レベルのチャンスを掴む日本人が増えていくはずです。
自分の可能性を信じられる日本人が今の5倍、10倍に増えたら、日本全体がもっと明るく、前向きな社会になると本気で思っています。特に、若者や指導者が「人の力を信じる」ことを当たり前にできる社会。誰かの可能性を心から信じ、支え合える環境。そんな日本をつくりたいです。
最終的には、国や立場を超えて、同じビジョンを持つ人たちと支え合い、励まし合いながら、一つの目的に向かって動けるコミュニティを世界に広げていきたい。
それが、私が人生をかけて実現したい未来です。
「日本人の自信に貢献する」というビジョンを本格的に実現していくためには、私自身の想いとメソッドをより多くの現場に届けるための“仕組みづくり”が必要だと感じています。
現在は口コミや紹介で広がっていますが、今後は営業体制や広報・発信力を強化し、志を共有できるパートナーや講師陣を育成していくことが重要です。また、現場の改善や教育の価値を「短期的成果」だけでなく「人の変化」として評価してもらえるよう、その再現性を整理・体系化し、他の現場でも応用できる形に広げていくことを目指しています。

太田 いずみさんのプロフィール
外資系豪華客船で世界各国の顧客対応・販売を経験後、教育業界へ転身。
英語・接客・教育を組み合わせた独自メソッドを軸に、企業研修、インバウンド事業者支援、英語コーチングを展開するLETTO株式会社を設立。
「日本人の自信に貢献する」を理念に、言葉と接客の力で“できない”を“できる”に変えるサポートを行っている。
また、周囲の仲間をマッチングするランチ会などの企画運営も積極的に行い、人と人、事業と事業をつなぐ場づくりにも取り組んでいる。
趣味は、異国料理をレストランで味わうことと、ローカルの人に混ざって海外を旅すること。
千葉県佐倉市出身
▼ Facebook (太田 いずみさん個人)
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▼ LETTO株式会社ウェブサイト
http://letto.jp