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グローバル起業家

Henry Kong (ヘンリー コング) 氏 – Founder of SHIBUYA360° / 渋谷発 バーチャルツアー事業 /

SHIBUYA360°

私たちは、さまざまな業界や目的に合わせた没入型の360°バーチャルツアーを制作しています。これらのツアーは、日常生活の質を高め、人々の意思決定をサポートし、行動を促すことを目指しています。

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—— まずはご経歴について教えてください。

私はフィリピンで生まれ育ち、大学卒業後はAccenture、P&G、AWSといった多国籍企業でIT分野の仕事に携わってきました。サイバーセキュリティ、クラウドコンピューティング、AIなど、最先端のテクノロジーに触れる機会に恵まれたと同時に、さまざまな国籍の人々と協働しながら、国境を越えて働く経験を積んできました。

一方で、IT業界でキャリアを築く中でも、常に心の片隅にあったのが、テクノロジーの“クリエイティブな側面”への情熱だったと言えます。

ウェブデザインやCG、映像編集、写真撮影といった分野には、趣味として取り組んでいました。そんな中で出会ったのが『360度バーチャルツアー』の技術でした。試しに実家のフィリピンのコンドミニアムで、物件紹介用のバーチャルツアーを作ってみたんです。すると、妹がその映像を活用して、海外の入居希望者に物件を紹介することができた。日常の課題をテクノロジーで解決できることに、大きな喜びを感じました。

この経験をきっかけに、「もしこれが自分の仕事だったら?」という思いが芽生えました。

ITセキュリティの分野で長年働いていたこともあり、どうしてもリスクを考えて慎重になっていました。でも『タイミングを待つのではなく、自分で作るもの』という言葉に背中を押され、思い切って一歩を踏み出すことにしたのです。

ビジネスとしてのバーチャルツアーの可能性を調べる中で、特に不動産分野における活用が進んでいることを知り、自然とターゲットが定まりました。アメリカやカナダといった欧米ではすでに広く普及しており、日本でも今後の成長が見込める分野でした。

そんなときに出会ったのが『Shibuya Startup Support』の存在でした。日本は不動産業界も活発で、特に外国人投資家の動きも活発です。スタートアップ支援の手厚い渋谷区でなら、挑戦できる環境があると思い、日本で起業することを決意しました。

—— 御社では、どのようなサービスを提供されているのですか?

私たちは、さまざまな業界や目的に合わせた没入型の360°バーチャルツアーを制作しています。これらのツアーは、日常生活の質を高め、人々の意思決定をサポートし、行動を促すことを目指しています。

特別なアプリのインストールは不要で、パソコン、スマートフォン、またはVRヘッドセットを通じて、ウェブブラウザだけで手軽にアクセス可能です。

—— 実際には、どのような活用事例がありますか?

1. 不動産/海外赴任・国内転居支援
不動産業界では、住宅の内見を360°バーチャルで体験できることで、物件探しにかかる時間とコストを大幅に削減できます。特に、企業の転勤者や海外からの赴任者など、現地に行くのが難しい方々にとって、テクノロジーを活用した効率的な意思決定が可能になります。

2. 安全教育・研修
危険な現場や立ち入り制限のあるエリア(たとえば工事現場や工場内部など)でも、360°環境と写真・動画を組み合わせることで、没入感のある研修体験が可能です。クイズ形式だけでなく、スカベンジャーハントや脱出ゲームの要素を加えることで、より主体的な学びを実現できます。

3. 観光・ホスピタリティ分野
文化財保護区域や自然保護区など、実際には立ち入りが難しい場所も、バーチャルツアーによって体験できます。人が立ち入らずに済むことで、貴重な生態系や遺物を傷つけることなく、学びと感動を提供できるのが魅力です。

4. 体験型マーケティング
360°技術は、ブランドや製品とユーザーとの接点にも新しい可能性をもたらします。たとえば、クルマの内装をまるでその場にいるかのように体験したり、フォトグラメトリーを使って作成した3Dモデルを閲覧・操作することで、写真カタログでは伝わらない魅力を発信することができます。

—— テクノロジーを通じて、リアルでは得られない体験価値を提供しているのですね。

はい。私たちは、単なる映像制作にとどまらず、“人の行動や感情に働きかける体験”を届けたいと思っています。バーチャルと現実の境界が曖昧になっていくこの時代だからこそ、体験の“質”が問われる。その先駆けとして、これからも新しいチャレンジを続けていきたいです。

—— 地方創生への想い、ビジョンをお聞かせください。

将来的には、日本の地方に広がる空き家(アキヤ)問題に対して、企業や団体と連携しながら、何かしらの解決策を一緒に見つけていけたらと考えています。

私たちの360°バーチャルツアーを通じて、空き家のリノベーションや利活用に取り組む地域の事業者を支援し、地方経済の活性化に貢献したい。地方の暮らしや文化、空間の魅力を、バーチャルという形でより多くの人に伝えていけるはずです。

—— 具体的に、どのようなパートナーと連携したいと考えていますか?

不動産会社はもちろん、ホスピタリティ業界、観光関連の企業、大学など、幅広い分野との連携を考えています。

特に、民泊や旅館といった、小規模ながら地域に根ざしたビジネスを営む方々とのつながりを大切にしたいと思っています。バーチャルツアーによって、彼らの魅力的な空間を臨場感ある形で紹介することで、集客の手助けになると信じています。

お客様とのミスマッチを減らし、双方の時間を節約しながらも、印象に残るPRができる。そんな形で、“見せ方”から地方の魅力を高めていくお手伝いができれば嬉しいです。

—— 地域とテクノロジーをつなぐ“架け橋”としての役割が期待されますね。

地方創生や空き家活用に取り組む方々と一緒に、“伝わる見せ方”をつくっていきたいと思っています。その第一歩として、ぜひさまざまな業種・地域の方々とお話ししてみたいです。

ヘンリー コングさんのプロフィール

ITプロフェッショナルとして、20年以上にわたりサイバーセキュリティ、エンタープライズアーキテクチャ、クラウド分野で主に活動。多国籍企業に対して、安全なシステムと業務プロセスの構築を支援してきた。現在は、自身のスタートアップ「SHIBUYA360°」に取り組んでおり、テクノロジーを創造的に活用し、人々の日常生活により直接的に貢献することを目指している。個人的な趣味はサッカー観戦とバイクに乗ること。

フィリピン国籍 メトロマニラ育ち
Ateneo De Manila University 卒

▼ SHIBUYA360° ウェブサイト
https://shibuya360.com

▼ LinkedIn
https://www.linkedin.com/company/shibuya360/

▼ Facebook
https://www.facebook.com/shibuya360

▼ YouTube
https://www.youtube.com/@shibuya360

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