日本文化を海外に展開したく企業へ
幼少期からアートに触れてきたのがきっかけで、後世に残る創作に強い関心を持ってきました。高校時代、持病が悪化していた時にマルセル・デュシャンというアーティストに出会い、病状へのコンプレックスや人生への絶望感によって、その関心は執着心に変わりました。
大学に入ってから度々海外に渡航していたのですが、コロナ後の現地での日本人気を肌で感じるとともに、そこで消費されている日本文化は海外企業によるものが多くあるという現実を目の当たりにしました。そのような経験から、私が起業を通じて後世に残すべきものは何かと考えた時に、それは日本文化ではないかと強く思い、日本文化という領域で起業することに決めました。現在は、本物の日本文化を海外に展開したいという思いから1751年から続く京都の老舗茶屋と連携し、オーガニック抹茶ブランドの越境EC事業を行っています。
抹茶ブランド「MATCHA STYLE」
財務省貿易統計によると、日本の緑茶輸出額は2023年に過去最高の292億円を記録し、この10年間で約4倍の成長を遂げています。特に抹茶を含む緑茶粉末の輸出額は前年比40%増を記録し、米国、EU、アジア諸国での需要が急拡大しています。世界的な市場調査会社Grand View Researchによれば、世界の抹茶市場規模は2028年までに38億ドルに達すると予測されており、年平均成長率(CAGR)は14.8%と著しい成長が見込まれています。
この急速な成長の背景には、コロナ禍を通じてNetflixやAmazonプライムなどの主要メディアプラットフォームで日本の文化やライフスタイルを題材としたコンテンツが世界的な人気を博したことが挙げられます。特に、SNSプラットフォームにおける「#matcha」関連投稿は全世界で1,000万件を超え、Z世代を中心に抹茶の持つ美的価値や健康性が注目を集めています。さらに、2024年の入国規制緩和後のインバウンド需要は予想を上回る回復を見せ、2019年のビフォーコロナ期を超える観光客数を記録するなど、日本文化への国際的な関心は過去最高潮に達しています。
こうした日本文化への世界的な注目の高まりの中で、グローバル展開する大手カフェチェーンから高級レストランまで、抹茶を使用したメニューの導入が加速しています。世界の主要都市では抹茶専門店の出店が相次ぎ、抹茶ラテやスムージー、デザートなどの形で抹茶製品が広く普及しています。
しかし、その実態には大きな課題が存在します。海外市場で「抹茶」として流通している製品の約7割が日本産以外の原料を使用しており、本来の日本の抹茶が持つ品質はもとより、800年以上の歴史を持つ茶道に代表される精神性や美意識、そして何世代にもわたって受け継がれてきた職人技といった深い文化的価値が正しく伝わっていないのが現状です。いわば、日本文化の表層的な模倣に留まっているとも言えるこの状況を変革し、本物の日本の抹茶文化を世界に伝えていくことが、私たちの使命であると考えています。
私たちの提供するオーガニック抹茶ブランド「MATCHA STYLE」は、270年以上の歴史を誇る京都宇治の老舗茶屋から直接仕入れた有機栽培の抹茶を使用し、伝統的な品質と現代のライフスタイルの融合を実現します。1751年創業の宇治茶の老舗による厳選された有機抹茶は、伝統的な製法によって本来の旨味と香りを引き出しています。また、世界初となるサブスクリプションミックスモデルを採用し、定期的に届く厳選された抹茶パウダーは、利用頻度や好みに合わせてカスタマイズ可能な配送プランをご用意。さらに、ShopifyベースのD2Cプラットフォームを構築し、InstagramやTikTokを活用したライフスタイル提案を行うことで、デジタルとリアルの融合を図ります。
抹茶ブランド「MATCHA STYLE」ウェブサイト
複数の日本文化ブランドを展開したい
2100年、私が死ぬ直前に日本の人口は5,000万人を下回ると言われています。その時、もしかすると日本は経済的な意味で世界でのプレゼンスを落としているかもしれません。しかし、そんな中で我が国の世界でのプレゼンスを支えるのは文化であると私は信じています。そして、私たちのブランドは、その未来をつくる一助となることを確信しています。私は、現在提供しているオーガニック抹茶ブランドを皮切りに複数の日本文化ブランドをラグジュアリーな形で海外に展開し、日本文化版のLVMHのようなグローバルカンパニーになることを目指します。
今後、国内のインバウンド層の顧客を有している観光地やホテルなどに卸を検討していることや、海外のスーパーやレストランに向けても卸を検討しているため、販路を提供していただける方やご知見のある方とお話しできれば幸いです。
加藤 憧さん
加藤 憧さんのプロフィール
愛知県豊田市出身で、現在は早稲田大学商学部に在籍。大学に入学する前は、小学校から高校までサッカーをしており、中学の頃には愛知県大会で優勝するなどスポーツに熱中。大学入学後は、Z世代向けアプリケーションを運営するスタートアップのCMOとして創業期のスタートアップを経験したり、株式会社メルカリのマーケティングチームでチームで唯一の学生として長期インターンに参加。
出身 : 愛知県豊田市
大学 : 早稲田大学商学部在籍
会社HP:https://artem.co.jp/
ブランドサイト:https://matchastyle.com/
ブランドInstagram:https://www.instagram.com/matchastyle_jp/
個人SNS Instagram:https://www.instagram.com/shokato_jp/
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