福岡での幼少期から東証一部企業へ
✅ 幼少期から学生時代はどの様な環境でしたか?
出身は福岡市で、3人姉妹の次女として育ちました。父親が公務員、母親は専業主婦ですが、曽祖父の代から自ら商売をする傾向がある家系でして、今でも従兄弟も事業を運営し、双子の姉も海外ブランド輸入の商売をして、妹もピアノ教室を運営しています。
私は小さい頃からあまり体が強くなく、大人しい子で絵や作文を書くのが好きな子供でした。父はとにかく仕事優先の人でしたから残業や付き合いで帰宅するのはいつも夜遅く、家族で旅行に行ったり外食にいったりした思い出はほとんどありませんでした。妹とも年が離れていましたので常に私と姉は妹の世話とあまり体が丈夫でない母の手伝いをしていました。それから私は地元の中学、高校、短大を経て地場の東証一部インフラ企業に就職する事ができました。
インフラ会社、化粧品会社での営業経験
✅ 新卒からの職歴を教えて下さい。
インフラ会社に入社したばかりの頃は研究所の一角にあるマニュアル作成の部署にいました。1年程で福岡市の中心部を含むBtoBとBtoCのお客様直轄部署に異動になり毎日お問い合わせやクレーム、受付対応をしていました。多忙で残業は月100時間を超えていました。その後リーダーになりさらに過酷なクレーム対応をしていました。そして数年後、営業チームに移動になりトップの成績を納めるも若い女性が男性の先輩方々を抜かしていく事は男性陣から許されない風潮もあり批判の的になりました。生まれてはじめて社会の厳しさを痛感して退社という選択をしました。
私自身が世間知らずで、営業会社ではないのに単純に頑張れば、数字があがれば評価されるという甘い考えでいつの間にか敵を多く作ってしまいました。上場企業でしたので皆さんプライドを持ってらっしゃる方も多かったですし、まだまだ終身雇用の時代で派閥や出世レースの真只中で働いてらっしゃる男性の方ばかりでしたので疎ましい存在になってしまいました。退社してからは一時期何もない自分にとても負け組感を感じていました。あんなに頑張ったのに私には何も残っていない。と思いとても虚しくなっていたのを今でも覚えています。その時期は自分よりも周りの人達がずっと優れていて幸せに見えていた時期でした。
その後女性中心の化粧品会社でインサイドセールスを行いました。BtoCでしたので毎日ガチャ切りや塩対応は当たり前でしたし、過酷なノルマもありましたが、なによりも数字さえあげれば評価してもらえて直接給与に反映される環境が私にはあっていました。化粧品会社ではクロージングを徹底的に叩き込まれました。数々の表彰を経て最終的には本社に異動になり最年少でトップクラスに入る事ができました。
新規開拓部門でしたのでアポイント取得からクロージングまで一括で行う事も多々ありました。自身の年間売り上げだけでも4000万円以上あったおかげもあり本社ではオーナー様や社長にはとてもよくして頂きました。
自ら結婚、出産を経験後、職場復帰へ
✅ ご結婚された後はどの様な生活でしたか?
結婚当初パート勤務はしていましたが、年齢的なものもありましたし、子供が欲しかったので仕事をセーブしていました。翌年に妊娠して出産から子供が小学校2年生になるまで専業主婦をしていました。子供が幼稚園の頃はボランティア活動を通して同じ幼稚園のママ達から料理や手作りのイベント等色んな事を教えてもらいました。
その後、当時2017年にリモートワークが徐々に普及し始めていて、麻布のI T系ベンチャー企業からリモート勤務可能にして頂き、インサイドセールス兼、採用を含めたリーダーとして働きました。ところが、その企業は2018年に他業種に方向転換した事もあり、リモートのアポイントチームもほぼ解散状態になり社員の方も半分以上辞めてしまいました。
やむを得ず他社のIT系企業に転職をしたのですが、その会社も入社して1ヶ月ほどで「 潰れるかもしれない」と言われたのです。その時営業は私一人。その危機的な状況から売り上げをどうにか改善させ、会社の黒字化に貢献出来ました。良い仕組みづくりや商品力のおかげもありインサイドセールスを活用して4ヶ月で400社程増やしたのです。ドラマチックなV字回復でしたが、コロナ前の時期に1年ほど在籍しました。その頃から『もしかしたらインサイドセールスで起業できるかも知れない』と期待をいだくようになりました。
インサイドセールスの実績と自信から起業へ
✅ 営業経験から独立起業に至った経緯をお聞かせください。
これらの経験を通して、自然といずれは私自身の会社を立ち上げたいとの想いが芽生えました。その後、本格的に営業代行会社に勤務する機会をいただき、そこで1年程営業のノウハウを習得させてもらい、更なる自信が湧いてきたのです。営業結果を出せるのも偶然ではなくて、しっかりとした理論やノウハウを世の中に共有できると確信して起業に至りました。最後の会社の代表の方はとても若い方でしたが、『いつでも戻っておいで』と言って頂きプラットフォームにも推薦を頂いて、独立後も仕事を紹介いただき大変感謝しています。
事業内容としては、インサイドセールスを活用した営業代行。基本リモートのみで対応しています。Saas系や富裕層向けの広告系、家事代行サービス、教育関係アプリなど幅広く企業様にご活用いただいています。
女性にもチャンスを与える会社でありたい
✅ 今度どの様に社会に貢献していきたいですか?
起業するにあたり頑張る方はチャンスをつかめる会社にしたい思いがありました。年齢、学歴、既婚、未婚に関わらず、例えばブランクがあってもシングルマザーでも夢追い人でも頑張れる環境を用意させて頂き実績を残して頂いた方には多めに報酬をバックして案件を任せます。法人化をしなくても弊社でツールを用意して求人や採用もサポートしますし、容易に独立ができる仕組みを社内で作りたいと思っています。
設立後1年以上が経過する現在、20代から50代まで10人程の女性メンバー、10社以上のクライアント様に私どものサービスを提供しています。今後も個人が気軽に社内で起業を開始できて、女性が出産などで1度家庭に入ってももう一度チャンスを得られる、そんな会社を今後も作り上げていきたいです。
✅ 最後に正社員から業務委託を経て起業されていますが働く女性にメッセージを頂ければと思います。
私のような女性は本当に多いと思います。子育てを経て働きだした頃は月5万円のパートから始めましたし、凄い学歴もありませんし起業するお金もありませんでした。選択肢が少ない中で自分のニーズがある場所を探して喜んで頂く事を繰り返してきました。何度でもどんな形でも働く事や稼ぐ事にチャレンジし続ける事で目標を持つ事が出来ると思っています。
有難うございました。話を進める上で、岡さんから信頼感、安心感が伝わり、人をとても大切にされる方だと感じました。女性としてより活躍し易い会社、挑戦できる環境を求めている方は是非、連絡してみて下さい。
岡菜保さんのプロフィール
会社:株式会社 Tasukaru 代表取締役社長
ウェブサイト:https://tasukaru39.com
出身:福岡県福岡市